食品添加物の何が問題なのか? その本質とは

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いま、食べ物の安全性について、関心を持つ人が増えていると思います。

毎日食べている加工品に使われる食品添加物。日本で承認されているものだけで1,500種類もあります。

食品添加物は危ないのか?
それとも危なくないのか?

危険性は高いのか?
それとも低いのか?

われわれ消費者は、何を選択すればいいのでしょうか?

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食品添加物について消費者の関心が高まったのは、「食品の裏側」(2005年、阿部司著、東洋経済新報社刊)という業界の闇に光を注いだ本の出版がきっかけと言われています。

その後、食品添加物に関する議論は、さまざまな場で起こされてきましたが、なぜか問題の「本質」は語られないまま、なし崩し的に使用量が増えているようです。

著者の阿部さんにお会いし、いろいろお話をうかがいました。(2018年8月)

とくに気になったのは、次の質問についてでした。

「最近の消費者の(食品添加物に対する)意識はどうですか?」

答えは予想通りでした。

「ここ数年、驚くほど反応がありません。食品添加物について、何も考えていない人が増えているように感じます」とのこと。

もしかすると、気にする人は増えていても、「自分には何もできない」とあきらめているのかもしれません。この沈滞ムードは、阿部さんも私も、もっとも危険な状態だと思っています。

食品添加物の問題が盛り上がらない理由は、問題の本質が議論されないからではないかと推測しています。

そのことは、阿部さんも、農業技術を研究している私にとっても、共通する意見です。

では、問題の本質とは何なのでしょうか。

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食品添加物を使った食べ物は、ずばり「偽物」だということです。

ひとつ例を挙げてみましょう。「食品の裏側」から引用します。

業界に「プリンハム」なる用語があります。

響きは一見可愛らしいのですが、要は水を肉の中で固めたハムということです。

業界では、搾れば水が出るくらい水を含んでいるということで、「雑巾ハム」とも呼ばれています。「水増しハム」と呼ぶ人もいます。

いずれにせよ、実態はなんら変わりません。

ハムの原料はもちろん豚肉ですが、たとえば100キロの豚肉のかたまりから、120~130キロのハムをつくるのです。

では、増えた20キロは何か?

もちろん「つなぎ」で増量させているのです。

増量させるために一番安くて便利なのは「水」です。しかし、水をそのまま入れ込んだのでは、肉がグチャグチャになってどうしようもない。そこで加熱すると固まる「ゼリー」を使用するのです。

それ専用につくられた肉用ゼリー液を、豚肉のかたまりに注射器で打ち込むわけです。100本ぐらいの注射器で、肉のかたまりにいっせいにゼリーをチューッと注入するのです。一度見たら忘れられない、それはすごい光景です。(以下略)

つまり、水増しした肉を成形して固め、なおかつ美味しくするために、大量の添加物が使われる、というわけです。

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食品添加物を使った加工食品が「偽物」であるとすると、どんな問題が起きるのでしょうか。

それは、2点あります。

ひとつは「栄養不足になる」ということです。水増しされた加工品を食べていても、「本物」を食べたときの栄養が得られません。

すると、不足分の栄養を補うために、身体はたくさんの食べ物を要求します。

もうひとつの問題は、「毒を判別できない」ことです。

調味料として使われる化学調味料、タンパク加水分解物、酵母エキスなどの添加物によって、濃く味付けされたものは、私たちの脳が勝手に「美味しい」と認識してしまいます。

そのため、もし素材だけを食べたら「農薬の刺激」や「過剰な肥料のエグミ」、「粗悪な飼料や薬剤で育った肉の臭み」などがわかるのに、加工品になると、調味料や着色料、香料によってごまかされてしまいます。

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安い、簡単、便利、美味しい、見た目がきれい

これも私たち消費者が求めた結果ですが、

皮肉なことに、偽物ばかりがあふれる社会になってしまいました。

偽物を食べても栄養不足になるばかり。栄養不足を補うために、身体に毒になるジャンクフードをさらに食べるという悪循環に陥る。これが、食品添加物の問題の本質なのです。

食品添加物に頼らない食事は、もちろん可能です。

しかも、栄養価が高いので、たくさん食べる必要もなく、食費がかさむこともありません。

まずは問題の本質を知ること。そして本物を求めることが重要ではないでしょうか。私たちの子供や孫の未来を守るために。

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