「グリホサート」とは?(基礎知識)

「グリホサート」は、日本では聞き慣れない名前です。けれども、ホームセンターに行けば、農薬コーナーに山積みになっている「ラウンドアップ」という除草剤を見たことのある人は多いと思います。(いまはジェネリック品も多数出回っています)

グリホサート(glyphosate)は、ラウンドアップの主成分です。植物の根元に撒くと、特殊な働きによって、どんな種類の植物も枯らしてしまうという強力な除草剤です。このグリホサートは、いま世界中で危険性を訴える声が鳴り響き、販売禁止あるいは使用禁止の動きが加速しています。その最新の動きが、先日記事をアップしたカリフォルニアの裁判結果です。末期がん男性への慰謝料と懲罰的罰金を含めて約320億円の賠償金支払い命令は、現代農業の方向性を大きく変える転換点になるかもしれません。

一方で、日本ではまったく問題になっていません。それどころか、厚生労働省や食品安全委員会は、「グリホサートは安全である」と宣言したうえ、農作物への残留基準値を大幅に緩めて、グリホサートの使用を後押ししているというのが現状です。

古くからこの問題をリサーチしている専門家は、「日本政府は狂気の沙汰だ」と厳しく断じています。

では、そもそもグリホサートとは何なのか。何が問題なのでしょうか。

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除草剤の成分には、いろいろな化学物質が使われています。そして、用途別に数種類に区分けされます。たとえば、イネ科の雑草を狙い撃ちにするもの、広葉雑草を狙い撃ちにするものなど。そのなかで、グリホサートを主成分にする除草剤は、「種類を問わず、あらゆる植物を枯らす」という働きが特徴です。

このグリホサートを発明したのが、アメリカに本社を置く多国籍化学メーカー「モンサント社」です。(2018年6月にドイツの製薬会社「バイエル」に買収されました)

モンサントは、グリホサートに対する耐性を持つ遺伝子組み換え作物も開発しました。つまり、グリホサートでは枯れないように遺伝子操作した種子を生み出したのです。「雑草をはやさず、作物だけが育つ画期的な農業になる」と宣伝して、グリホサートと遺伝子組み換え作物の種子をセットで売り出しました。1990年代後半、アメリカらスタートし、アルゼンチンやブラジル、インドなど、広大な面積の農地でグリホサートと遺伝子組み換え種子が使われてきました。総面積は1億ヘクタールを超えると言われています。

ちなみに、現代農業では、雑草対策が生産者の頭痛の種であることは事実です。育てたい作物の邪魔をする“にっくき雑草”が生えないというのは、生産者にとって、とても大きな魅力なのです。しかも、除草剤を撒いても枯れない作物なんて、まるで夢のような話です。

遺伝子組み換え作物で代表的なものは、大豆、トウモロコシで、他にもキャノーラ(菜種)、米、ソバ、綿花などがあります。実際、私たち現代人の食は、この遺伝子組み換え作物なしでは成り立たないほど、大量生産されています。

不思議なことに、日本では、遺伝子組み換え作物については、消費者の関心も高いようです。しかし、セットになっている除草剤(グリホサート)に対しては、驚くほど情報がなく、消費者もその危険性については知る機会がありません。

さらに、実際には加工品用や外食産業用として遺伝子組み換え作物は大量に輸入されていて、日本人のほとんどすべてが、遺伝子組み換え作物のお世話になっている事実も知る人は少ないでしょう。そして、グリホサートは、輸入農作物の残留値がとても高く、日本人は知らず知らず、毎日グリホサートを摂取している可能性があります。

さて、話を戻しますが、世界中で耕作面積が激増している遺伝子組み換え作物とグリホサートの使用は、結論から書くと、農地を破壊し、人間を破壊しています。詳細は関連動画をご覧ください。理想は良いとしても、現実はそう甘くはありません。とくにグリホサートを直接浴びた農家だけでなくて、その作物を食べた消費者に被害が起きているからこそ、世界中で問題視されているのです。

具体的な症例としては、がん、うつ病、心臓病、糖尿病、パーキンソン病、自閉症、流産、早産、奇形児の確率上昇などが指摘されています。

モンサント社は、いま現在も「微生物がすぐ分解する」「飲んでも安全」といい、デメリットはないと宣伝し続けています。しかし、それはウソの広告であると、アメリカやフランスの裁判で判決が出ています。

「飲んでも安全」どころか、腸内の善玉菌が死滅してしまうという研究報告もあります。それも、ごく微量のグリホサートによって生じる危険性だというのです。

それが実際のところ、どれぐらいの量で問題になるのでしょうか。次回の記事で詳細をお伝えします。
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日本では、グリホサートについて世間の関心が薄いため、ほとんどの人が知らずに過ごしていると思います。実際ラウンドアップを使っている農家ですら、主成分のグリホサートという名前には無関心なのでしょう。さらに、自宅の庭や空き地など、市街地でも大量のラウンドアップが使われていると見られます。

現時点では推測にすぎませんが、いまの日本人の体内にどれだけグリホサートが溜まっているか検査をすれば、ほとんどの人から検出されると思われます。

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コメント

  1. […] 組み換え技術のもっとも進んでいる品種のひとつであろうと思います。その分、危険性、安全性についていつも議論の中心にいます。(なぜ危険なのかは、関連記事をご参照ください。) […]

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