農薬を「消毒」と呼ぶ生産者

スーパーの生鮮品コーナーに行くと、色鮮やかな野菜がたくさん並んでいます。生産者が日々の努力で育てている野菜たち。しかし、ほとんどの消費者は、その生産現場を知りません。おそらく、知っていたら、いまのような世の中にはなっていないはずです。

農薬について関心を持ち、農薬を危険だと感じ始めたら、ぜひ生産現場を自分の目で確かめに行くことをお勧めします。といっても、そう簡単ではありません。実際、農薬を使っている現場の見学は、さすがに危なくてお誘いできません。つまり、自分が生産者になる以外、農薬を使っている現場を見ることは事実上むずかしいでしょう。

そこで、生産者のひとりでもある私から、可能な限り、事実をお伝えしていこうと思っています。

ところで、私は農薬は使いません。肥料も使いません。なのに、「なぜ農薬のことが分かるのだ」と言われそうですね。私の農場の周囲で、生産者のみなさん、こまめに農薬を散布しています。とくに春から秋にかけて、それはもうこまめに散布しています。

「ご近所に畑があるけど、そんな場面、見たことがないぞ」という方がいるかもしれませんね。生産者は朝早くから動いています。消費者のみなさんが眠っているあいだに、しっかりお仕事しています。

ところで、生産者は「農薬」のことを「消毒」と呼んでいるのをご存知でしょうか。たぶん、全国共通ではないかと思います。私は、いまも「農薬」という言葉を使っていますが、私の知る生産者のみなさんは、一人残らず「消毒」と言います。

いやあ、農薬が毒そのものだと考えている人にとっては、混乱しますよね。「毒をもって毒を制す?」みたいな妙な世界に入り込んだ感じです。

世間的には、農薬は“必要悪”のようなイメージで、決して無条件に許されているものではありません。生産者もよくわかっていて、なんとなく“うしろめたさ”のようなものが「消毒」という言葉に込められているのかもしれません。

いま現在、日本の生産者も揺れている。私にはそう感じられます。

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