安全基準のトリック

農薬や食品添加物には、残留量や使用量に「安全基準」というものがあります。一見、科学的に見えるし、専門家が自信ありげに断言するので、「ふーん、そういうものか」とウッカリ信じてしまいそうになります。

それに、メーカーや専門家は「国がそう定めている」「国の基準を守っている」と大きな声を出すものですから、小心者の私としては縮こまってしまいます。けれども、冷静に考えると、この「安全基準」は、とても巧妙なトリックであることがわかります。

1日許容摂取量にだまされてはいけない
農薬や食品添加物には、1日に摂取して良い許容量が定められています。「1日許容摂取量」といって、“毎日”、“一生”食べ続けても害はないという安全基準です。そういわれると「ああ、自分は大丈夫なんだ!」と安心します。ちなみに、この根拠は、ネズミやウサギなどの動物実験のデータをもとに定められます。そもそも人間ではデータを取っていません。しかし、問題はその先にあります。

「隔世遺伝」という言葉を聞いたことはないでしょうか。遺伝病や遺伝子の損傷が子供ではなく、孫に現れるという自然現象です。本人に何もなくても、子供に出るかもしれません。子供に出なくても、孫の代になって現れる可能性がある、ということです。

仮に、孫に現れなくても、孫の子供に何かあったら?

人間に対して安全性を宣言するなら、4代あとの健康状態を見極めて、初めて科学的な根拠と言えるはずです。

農薬や食品添加物は私たちの遺伝子を傷つけます。がんをはじめとする免疫疾患の原因です。もし農薬や食品添加物で遺伝子が微妙に傷つけられる場合、「毎日食べても大丈夫である。子々孫々まで大丈夫である」と、だれが判断できるでしょうか。責任を取れるのでしょうか?

農林水産省、厚生労働省、食品安全委員会の役人や専門家のみなさん、我々の4代あとの世代の健康に対して、きっちり責任取ってくれるのですか?(この方たちには、人の命をあずかる役割であることの矜持を持っていてほしいと切に願っています)

まだ未確認情報ですが、アメリカでは化学肥料と農薬を常用している農家の4代目の世代になり、遺伝的に大きな問題が起きているという論文が発表されたと聞きます。今後の取材テーマとします。また、表にはなかなか出せない情報ですが、それは日本の農村にも起きているようです。遠からず実態が明るみに出るかもしれません。

【 複合汚染の恐怖
そもそも動物実験しかしていない、ということに「大いに疑問あり」ですが、もっと深刻な問題がその先にあります。それが“複合汚染”です。化学物質単体では、「ある一定の濃度以下に薄まれば問題ない」という場合でも、それを複数摂取することで毒素が発生することを複合汚染といいます。

これは、単なる推測の話ではありません。一例を挙げると、2006年に、日本で実際に起きた実例があります。「アスコルビン酸(ビタミンC)=酸化防止剤=」と「安息香酸=保存料=」。どちらも食品添加物として「安全性に問題なし」と国が認める食品添加物です。これを含めた栄養ドリンク剤の容器の中に、発がん性が疑われる猛毒の「ベンゼン」が発生していたのです。

2005年にドイツの研究論文で発覚し、2006年の3月にはイギリスで自主回収の騒ぎになりました。日本はその後追いです。

化学の専門家に聞いたところ、「安息香酸の還元反応でベンゼンができるが、本来、還元反応は起きにくい。アスコルビン酸は特別に反応しやすい組み合わせだったということでしょう」とのことでした。つまり、この複合汚染は、化学の専門家の死角だったというわけです。そして、この複合汚染には、2つの大きな問題があります。

1. 複合汚染は研究対象外。農薬や食品添加物の総数は数千になりますが、その複合汚染はまったく研究されていないということです。

2. 人の身体の中で合流する。安息香酸とアスコルビン酸を別々に摂取しても、私たちの胃袋で合流したら、やはりベンゼンが生成される可能性があります。その危険性は無視されています。とくにビタミンCが大好きな日本人は、安息香酸入りの加工品を口にした場合、日常的に発がん物質を食べているのと同じことになっているかもしれません。

この複合汚染の問題について、農林水産省、厚生労働省、食品安全委員会の役人や専門家のみなさん、我々の4代あとの世代の健康に対して、きっちり責任取ってくれるのですか?


というのが、ジャーナリストとしての私の疑問点です。もちろん、消費者としても。私自身は危険を感じて自然農法の食糧生産を目指しているので、自分で自分と家族を守る道筋はつけていますが、何も知らない消費者は、これからどうなるのでしょうか。

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